忠犬ハツ恋
恋するイチゴ・オレ
「ねぇ茜ちゃん、婚約って何だろ?」
私にそう問われて大学ノートに何やら書いていた親友の茜ちゃんは手を止めた。
ここは高校の屋上。
真夏の炎天下にこんなところで過ごすのは私達しか居ない。
「何?藪から棒に。」
「だってね、結婚みたいに役所に婚姻届出すわけじゃないし、本人達だけの口約束って感じがして…。」
私は持っていたイチゴ・オレの表面についた雫がポタリと落ちては蒸発して行く様を眺める。
「口約束って言ったって、ちゃんと大ちゃんから指輪貰ったんでしょ?」
「そうだけど……。」
16歳の誕生日、
私は大好きな大ちゃんにプロポーズされた。
でもそれは私の両親の強い要望で婚約にすり替えられた。
結婚は高校を卒業するまでお預けだ。
私にそう問われて大学ノートに何やら書いていた親友の茜ちゃんは手を止めた。
ここは高校の屋上。
真夏の炎天下にこんなところで過ごすのは私達しか居ない。
「何?藪から棒に。」
「だってね、結婚みたいに役所に婚姻届出すわけじゃないし、本人達だけの口約束って感じがして…。」
私は持っていたイチゴ・オレの表面についた雫がポタリと落ちては蒸発して行く様を眺める。
「口約束って言ったって、ちゃんと大ちゃんから指輪貰ったんでしょ?」
「そうだけど……。」
16歳の誕生日、
私は大好きな大ちゃんにプロポーズされた。
でもそれは私の両親の強い要望で婚約にすり替えられた。
結婚は高校を卒業するまでお預けだ。