忠犬ハツ恋
熱を測ると39℃だった。

氷枕を用意して2階の自分の部屋に向かう。
大ちゃんがペットボトルに水を入れて枕元に置いてくれた。

「俺は今日泊まるから。
階下のソファーにいる。何かあったら携帯で呼べよ。」

「うん…分かった。」

大ちゃんは去り際に振り返りこう聞いた。

「美咲、お前今日ウチのベッドの下の引き出し開けたろ?
何か見つけた?」

「えっ?何?」

大ちゃんの数珠と袱紗と靴はベッドの下の引き出しの中の紙袋に入れた。
あそこを開けたところまではバレている。

でも大ちゃんはそれ以上追求して来なかった。

「まぁいいや、いずれ分かる事だし。」

そう言って大ちゃんは1階に下りて行った。
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