忠犬ハツ恋
保健室に着くと先生は不在でガランとしていた。

3つあるベッドの1番奥だけカーテンが引かれている。

私はその方向に恐る恐る声を掛けた。

「……檜山君?」

カーテンが不自然に揺れる。
それは"俺はここだ"と言うサインに見えた。

声を出せない程体調が悪いんだろうか?

カーテンをそっと開けると檜山君がダラリと横になっていた。

「風邪?」

「……お前のがうつったんだよ。」
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