忠犬ハツ恋
「学祭だよ!学祭の出し物のメイドカフェ!
そのための衣装なの!」

「へぇ……。学祭ねぇ…。」

大ちゃんは信じているのかいないのか、
腕を組むと壁に寄り掛かった。

「お前、これ着るの?」

「まだ決定じゃないよ。」

「じゃ、決まれば着るんだ。
そういうの着てると周りからどういう目で見られるか分かってんの?」

「だからまだ決定じゃないんだってば!」

大ちゃんは溜息1つ吐いた。

「だから清女に行けって言ったんだ。
中央に行くからこうなる。」

清女は有名なお嬢様学校だった。
全ては"ごきげんよう"に始まり"ごきげんよう"に終わる。
そんなところ、私には窮屈だ。
その点中央はそれ程レベルは高くないし、通学も困難じゃない場所にあった。
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