忠犬ハツ恋
そこで茜ちゃんが聞いた。

「檜山は納涼祭どうすんの?」

「白石が行きたいって言うなら付き合ってやるけど?」

「私はいいよ。望月さんと行って来たら?」

そう言うと檜山君は私の頭を両手で掴んだ。

「お前さぁ、望月に何吹き込んだ?」

「何もしてないよ。痛い!離して!」

「さっき俺、望月を誘ってもねぇのに納涼祭断られたぞ!」

「えっ?」

私と茜ちゃんは目を見合わせた。

「あいつ東野に通ってる。
塾休めねぇから納涼祭には行けない、
しかも塾の無い時は門限が7時だと。
今時何処の箱入りだ?あいつは?」

それを聞いて茜ちゃんは笑いだした。

「檜山、フラれてやんの。
やるね〜望月さん。」

門限7時って……、花火は8時からなのに…。
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