忠犬ハツ恋
入ってすぐの受付に荒木先生がいた。

「えっと、圭…じゃなくて荒木君と…周防さんは3階のCクラス。そこのエレベーター使って。」



指示に従って3階に着くと2人ずつ座れる長テーブルの両端に名前が張ってある。

檜山君は"荒木"として参加しているから出入り口近くの前から2番目の席。

私はと言うと…。
ど真ん中の1番前の席だった。

佐々木さんに会ってみたくて乗り込んだ東野だったが、もともと東野の授業には興味があった。
そこそこヤル気を持って体験講座に挑むつもりではあったが1番前の席だなんて……。

「お〜い!全員揃ってるか〜!!」

しかもCクラスにやって来た講師はよりによって…。

「今日このクラスを担当する!一色大我!!」


目の前に一色先生がいる……。
私は気まずさで顔を上げる事が出来なかった。
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