忠犬ハツ恋
体験生達はそれぞれに帰って行ったり、願書をもらいに移動したりと散り散りに去って行く。

檜山君が手招きするからソバに寄った。

「ちょっと荒木センセに会って来る。
お前も来る?」

「ううん。」

私はちょっと1人で事務所に行ってみたかった。
場所なんて分からないけど、なんとかなるだろう。

「じゃあ先にシャロンに帰ってろよ。俺もすぐに戻る。」

「分かった。」

檜山君を見送る頃には出入り口にいた一色先生の姿も無かった。

私はホッとしてこっそりCクラスを出る。
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