忠犬ハツ恋
大ちゃんが今後どうするつもりなのかが全く読めない。

荒木先生は最終の講義に間に合うように東野に戻って行った。

「ねぇ、檜山君。
もしサクラさんが新しい彼の暴力で悩んでたら助ける?」

「は?俺の兄貴が暴力振るうわけないだろ?
逆なら有り得るが。」

「だから、『もし』。
新しい彼が檜山君の全く知らない人だったとして。」

檜山君は私の質問の真意を掴めず首を傾げた。

「そりゃ痴話喧嘩くらいなら放って置くけど、本当に危なきゃ……、その新しい彼ってやつに勝てそうだったらボコボコにする。」

「元カノに心を砕く事を今カノが悲しんだら?」

「それは当然今カノを説き伏せてからだろ?
"俺が今、助けなきゃ命に関わるかも知んねぇからここは我慢してくれ"って。」

「そっか……。そうだよね…。」

檜山君がすごくまともに見えた。
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