忠犬ハツ恋
「何なんだよ?
お前、今、大ちゃんとどうなってんの?」

「どうにもなってないよ。超順調!」

そう言いながら苦しかった。

「白石…。」

檜山君が私の隣にやって来た。

「覚えとけ。お前の側には俺が居る。」

「うん……。ありがとう…。」

檜山君が私の唇に噛み付いた。
いつもと違う、いつもより激しいキス。

勉強会の後は檜山君とのキスで締める、何時の間にかそれが恒例になっていた。

事務的に"さあ、これでお開きにしましょう"の合図みたいに交わされるキス。

合図だからそこになかなか罪悪感が生まれない。
でも合図なのにその時間が私は好きだった。
檜山君に必要とされる感じ、存在を認めてもらえているその感じ。
甘くて柔らかくて暖かいその感じ。
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