忠犬ハツ恋
茜ちゃんは再びノートに書く手を動かしながらこう言った。

「でもまぁ私にはムリだな、婚約って。
何か究極の束縛って感じ。
婚約するくらいなら結婚しろよって思う。」

「……究極の束縛…。」

私は考え込んで茜ちゃんの隣にしゃがんだ。
茜ちゃんは更に自分の意見を述べる。

「一度しかない人生なのにさ、16で相手を決めちゃうって何か損してる気しない?
婚約してる間に大ちゃんより良い人現れたらどうすんの?」

「まさか……大ちゃんを越える人なんて。」

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