忠犬ハツ恋
「ほら、飲めよ。」

戻ってきた檜山君が私に差し出したのはカップになみなみと注がれたコーヒー。
その表面には……
檜山君からは想像もつかない可愛らしいクマの絵が描かれていた。

「これ……檜山君が?」

檜山君は私の隣に座りながら小さく頷く。

「写メ撮ってもいい?茜ちゃんに見せたい!」

「ご自由に。」

私がはしゃいで写メを撮るのを檜山君は静かに眺めていた。
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