忠犬ハツ恋
オーシャンビュー凪はその名の通り海を一望出来る、1日1組限定のプライベートウェディングの式場。

そこにはすでに10組近くの挙式を控えたカップルが集まっていて、私達の合流には少し注目を集めた。

周りは皆それなりに成熟した適齢期のカップルばかりで、その中で私1人ままごとみたいに浮いている。

「お待ちしておりました。筧戸様、白石様。
私、担当の松藤と申します。
どうぞこちらへ。」

スチュワーデスかと見まごう程美しく、キリリと整った姿をした女性が私達の前に現れた。

この方が塾長の姪御さんなんだろう。

「この度はご婚約おめでとうございます。
挙式、披露宴は2年後のご予定と伺っております。
何か今現在ご希望とされるプランはおありですか?」

今まで親戚の結婚式に2度出席して夢見心地を味わったが、我が身の事となると全くのノープランだった。
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