忠犬ハツ恋
「トイレ借りてもいい?」

「気分悪いんだろ?全部吐き戻せ。」

「ゴメン!!」

私は急いでトイレにこもる。

せっかく美味しいものを沢山食べた。
戻すことを酷く勿体無く感じたが、
今やそんな事を言っている場合ではない。

全てを吐き終えスッキリした頃トイレの外から檜山君の声がした。

「水、持って来たけど?」

「……ありがとう。」

トイレの扉を少しだけ開け、コップを受け取る。
口の中を軽くゆすいだ後、残りの水を飲んだ。
冷たい水が身に染みて心地よかった。

トイレを見回し汚してないかチェックする。

トイレから出ると檜山君がTシャツを持って待ち構えていた。
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