忠犬ハツ恋
脱衣所から洗濯が終了した音が聞こえる。
乾燥まで終えてザッと1時間半。
私はすぐさま脱衣所に向かい綺麗になった服に着替えた。

ふと洗面台の鏡に映った自分をジッと見てみる。

そして大ちゃんの助手席に滑り込んだ女性を思い浮かべた。
セミロングの髪を少し巻いてフワリとスカートをなびかせる、とても落ち着いた大人の女性に見えた。

大ちゃんと同級生なら当然私とは11歳違う。
大人の魅力では到底敵うはずのない相手だ。

鏡に映る自分を見つめながら大ちゃんとの埋まる事のない年齢差を恨んだ。
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