忠犬ハツ恋
「待たせたね、若奥さん。」

指導室で10分ほど待っていると一色先生は現れた。

「えっと、今日は荒木サクラさんなんだっけ?」

「いいですよ、ここでまで偽名使ってもらわなくても…。」

「美咲ちゃんは周防君、……じゃなくて檜山圭太君とは知り合い?
俺、今日、殺気立った目で睨まれたんだけど。」

「…きっと気のせいです…。
って一色先生、檜山君知ってるんですか?」

「アイツこの業界じゃ有名だから。
"荒らしの檜山"ってね。」

檜山君は否定していたが、確かに檜山君は"荒らしの檜山"で通っていた。
< 225 / 466 >

この作品をシェア

pagetop