忠犬ハツ恋
一色先生は立ち上がると傍にあったアコーディオン状のパテーションを窓際に立てた。
パイプ椅子を窓とパテーションの間に1つ置くと私を手招きする。

「ここにいて。」

一色先生は私をそこに座らせると自分はさっきいた椅子に戻り誰かに電話を始めた。

「もしもし、詩織?
今から指導室来れる?7階。
この間の話聞かせろよ。大輔は何も語らない。」

一色先生は私のいるこの部屋に佐々木詩織さんを呼び出していた。
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