忠犬ハツ恋
その時お店にOLっぽい女性がわらわらと雪崩れ込んで来た。
店内に半分も埋まってなかった席が急に満席に近い状態になる。

「おっと!仕事だ。
それ飲んだら勝手に帰っていいから。」

「え?お金は?」

「要らね〜。」

そんなの困る!

「じゃあ、これ!受け取って!!」

私はつい大ちゃんに渡すはずだったガトーショコラを差し出した。
檜山君は紙袋の中を見て

「お菓子?手作り?」

「ガトーショコラ。私の自信作。」

「サンキュ。後で食べる。」
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