忠犬ハツ恋
「すみませ〜ん。」

さっきのOLさんの団体が店員を探していた。
カウンター裏から男性の声がする。
多分ここの店長、檜山君のお兄さんだろう。

「圭!!いつまでサボってんだよ!オーダー!」

「分かってる!今行くよ。」

檜山君は胸ポケットからオーダー票とボールペンを出しながら席を立った。

「あ。」

檜山君はそう一言漏らしてオーダー票を一枚破ると裏に何やら書き出した。

「これ俺の携帯番号。
明日の6時30分電話して。」

「え?」

「モーニングコール。朝、俺を起こして。
これ以上サボると留年だって。それはマズい。」

「モーニングコール?ムリだよそんなの!」

「何で?」

何でって………そんなの恋人みたいじゃないか…。

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