忠犬ハツ恋
「大ちゃんは詩織さんに騙されてる。
詩織さんの旦那さんは暴力を振るうような人じゃないんだって言ってた。
このままじゃ大ちゃん外堀から埋められて取り込まれちゃうよ。
中途半端に優しくするとヒロム君を傷付ける事になるとは思わないの?」
「………お前…どうしてそこまで知ってる?
詩織といつ会った?」
「会ってない。
詩織さんの話しを偶然聞いた。
でも私の携帯番号は詩織さんにバレてる。
それは大ちゃんのせいだからね。」
大ちゃんは口を抑えて黙ってしまった。
「大ちゃんお願い。
私の行きたいとこ連れてってくれるんでしょ?」
私が縋っても大ちゃんは動こうとしない。
ゆっくり私を見ると辛そうに呟いた。
「ゴメン、美咲。
この事でお前に要らない心配を掛けたく無かった……。
でもだからって手は出せない。
美咲を大事にしたいんだ。分かるだろ?」
「………分かった…。」
私は安堵の表情を見せた大ちゃんを置いて車を降りた。
「おい!美咲!!」
ここから少し歩けばそこはホテル街のはず。
私は振り返る事なくまっすぐその方向に進む。
大ちゃんが追って来ているのを感じてそこから走り出した。
詩織さんの旦那さんは暴力を振るうような人じゃないんだって言ってた。
このままじゃ大ちゃん外堀から埋められて取り込まれちゃうよ。
中途半端に優しくするとヒロム君を傷付ける事になるとは思わないの?」
「………お前…どうしてそこまで知ってる?
詩織といつ会った?」
「会ってない。
詩織さんの話しを偶然聞いた。
でも私の携帯番号は詩織さんにバレてる。
それは大ちゃんのせいだからね。」
大ちゃんは口を抑えて黙ってしまった。
「大ちゃんお願い。
私の行きたいとこ連れてってくれるんでしょ?」
私が縋っても大ちゃんは動こうとしない。
ゆっくり私を見ると辛そうに呟いた。
「ゴメン、美咲。
この事でお前に要らない心配を掛けたく無かった……。
でもだからって手は出せない。
美咲を大事にしたいんだ。分かるだろ?」
「………分かった…。」
私は安堵の表情を見せた大ちゃんを置いて車を降りた。
「おい!美咲!!」
ここから少し歩けばそこはホテル街のはず。
私は振り返る事なくまっすぐその方向に進む。
大ちゃんが追って来ているのを感じてそこから走り出した。