忠犬ハツ恋
2人のお陰で多少の違和感を感じつつも何とか普段通りの時間を過ごせている気がした。

常に茜ちゃんと檜山君が私を守るように寄り添っていてくれる。
私に話を聞きたい素振りのクラスメイトも私に近づく事すら出来ずにいた。

このまま今回の事が風化されればいい、そう願って止まない。


放課後。
檜山君が私の鞄を持って私の机に寄り掛かって待っていた。

「シャロン行こうぜ。兄貴とサクラさんが連れて来いってうるさい。」

「ごめん…、私、これからお母さんの職場の手伝いに行かないと…。」

「何処?職場。」

「仲町の郵便局のところ。」

「来いよ。送る。」

「えっ?」

檜山君は私の手を引いて学校の裏へと導いた。
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