忠犬ハツ恋
虹組さんの部屋からそっと下駄箱を覗くとそこには確かに大ちゃんが居た。

………どうして…?

大ちゃんは本当の父親のようにヒロム君の頭を撫でながら先生と話をしている。

"俺はお前を裏切らない"

大ちゃんはこの間確かにそう言ったのに、
これは裏切りでは無いの?

背後から肩を叩かれ振り返ると茜ちゃんが難しい顔をして立っていた。

「まさかとは思うけど……アレ、大ちゃん?」

私は答える代わりに茜ちゃんの胸で静かに泣いた。
翔真君が心配そうに私を見上げていた。
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