忠犬ハツ恋
「で、帰ろうとしてたら檜山君に捕まって…。」

「は?何でそこで檜山が出て来んの?」

茜ちゃんはノートに"第二の男出現"と書いた。

「檜山君、東野の向かいのカフェで働いてたの。でね?これ見て茜ちゃん。」

私は昨日写メを撮ったクマの描かれたコーヒーの画像を見せた。

「これ檜山君が作ったんだって!
見かけに寄らず繊細だよね?檜山君。
何だか飲んじゃうの勿体無くて。
そしたらまた作ってくれるって!
今度一緒に行こうよ、茜ちゃん。」

茜ちゃんは小さく「へぇ〜」と呟いた。

「それで、そのコーヒーの代わりがモーニングコールってわけ?」

「………まぁ、そんなもんかなぁ〜?」

「それが浮気に当たるかどうか、か……。
まぁ、大ちゃんからすりゃ決して良い気はしないでしょうね?」

「やっぱり?」

私は肩を落とし小さくなった。
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