忠犬ハツ恋
一色先生の家は東野から近い位置にあった。
徒歩5分位で着いてしまう。

どのマンションかと思い来やコンクリート打ちっぱなしのおしゃれな3回建ての1軒家。
1階には見るからに高級車っぽいのがシャッターの内側に2台停まっている。

車庫の傍の階段から2階の玄関へと向かった。

「ご両親と住んでるんですか?」

「いいや、俺、1人。」

玄関から中へ入ると来客用なのかスリッパが置いてあった。

「あぁ、その茶色のスリッパは大輔のだけど使っていいよ。」

「マイスリッパ…?」

「大輔はしょっちゅうここに来る。
講義の空き時間に仮眠したりね。」

2階は広々としたリビングだった。
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