忠犬ハツ恋
「大ちゃんはどうしてそんなに弱腰なの?
詩織さんに弱みでも握られてる?」
「…いや……。
……美咲、…悪かった。」
「大ちゃんの謝罪は聞き飽きた。
もう謝らなくていいから私のお願い聞いて。」
「何?何でも聞く。」
大ちゃんのその返事を聞き届けて私は布団から出るとゆっくり上体を起こした。
「……赤ちゃん欲しい。」
勉強机の卓上の豆球だけの私の部屋。
薄ら灯りの中でも大ちゃんの動揺はよく読み取れた。
「……美咲…。」
「そしたら詩織さんも迂闊に手を出せなくなるでしょ?
それに大ちゃんが子供好きなのは分かるからそれならヒロム君じゃなくて我が子を大事にしようよ。
その子を私が産むから。」
「…それは大我の入れ知恵か?」
大ちゃんはただ俯いてそう言った。
私は大ちゃんの頬に手を伸ばす。
「さっき私のお願いを何でも聞くって言った。」
大ちゃんは私の手を掴んで首を横に振った。
「その願いはダメだ。叶えてあげられない。」
「大ちゃん!」
詩織さんに弱みでも握られてる?」
「…いや……。
……美咲、…悪かった。」
「大ちゃんの謝罪は聞き飽きた。
もう謝らなくていいから私のお願い聞いて。」
「何?何でも聞く。」
大ちゃんのその返事を聞き届けて私は布団から出るとゆっくり上体を起こした。
「……赤ちゃん欲しい。」
勉強机の卓上の豆球だけの私の部屋。
薄ら灯りの中でも大ちゃんの動揺はよく読み取れた。
「……美咲…。」
「そしたら詩織さんも迂闊に手を出せなくなるでしょ?
それに大ちゃんが子供好きなのは分かるからそれならヒロム君じゃなくて我が子を大事にしようよ。
その子を私が産むから。」
「…それは大我の入れ知恵か?」
大ちゃんはただ俯いてそう言った。
私は大ちゃんの頬に手を伸ばす。
「さっき私のお願いを何でも聞くって言った。」
大ちゃんは私の手を掴んで首を横に振った。
「その願いはダメだ。叶えてあげられない。」
「大ちゃん!」