忠犬ハツ恋
「詩織の事はきちんとケリをつける。だから…。」

「大ちゃんにそれが出来ないからこうなってるんでしょ?」

「もう少し待て。そしたら必ず…。」

私はキスで大ちゃんの言葉を塞いだ。
大ちゃんは慌てて私を引き剥がす。

「美咲!!止めなさい!
今、……妊娠したらどうなると思ってる?
中央がどういった対応を取るかは知らないが、退学にでもなってみろ。
この間の補導の時、必死にお前を退学から守ってくれた担任の先生に申し訳ないとは思わないのか?」

「それは……。」

「冷静になりなさい。
1時の気の迷いで高校生活を棒に振るな。」

「だって!!」

大ちゃんはさも正論を述べている様子だけど、誰のせいでこうなってると思っているんだろう?

「いいよ、高校生活なんて。
もともと中学を卒業したら大ちゃんのお嫁さんになるつもりで高校に行く気なんてなかったんだし。」
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