忠犬ハツ恋
「じゃあお前はどうなんだよ?
大ちゃんに手を出されないことでお前は大事にされてると感じるのか?それで幸せだって思うのか?」

大ちゃんが詩織さんに強く出れない理由……、
それは詩織さんが大ちゃんの初めての彼女なんじゃないか?

詩織さんとどこまで進んでいたのかなんて想像するしか無いけれど、少なくとも今の私よりは深く愛し合っていたんじゃないか?というのを何となく私は肌で感じていた。

私はせめて詩織さんと同じ位置にいたい。
もちろん本音は詩織さんよりも大ちゃんと深い関係でいたい。

私には大ちゃんに手を出されない事で大事にされてるとは思えなかった………。

「止めてよ、そうやって煽るの。」

「煽ってねえよ。俺はお前の本心を導き出してんの!お前が抑え込んでる本心。
言ってみろよ。お前は大ちゃんに何を望んでるんだ?」

「私の…望み……?」

それを思い描きながら涙が溢れてきた。
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