忠犬ハツ恋

茜ちゃんの秘密、檜山君の予感

「白石、分かったから…。
もうそろそろいいか…？」

「え〜？
だって私の望み叶えてくれるんでしょ？」

私はまだ檜山君に抱き締められたままだった。
人肌が心地よくて安心出来てなかなか離れ難い。
さっきまで身代わりなんてダメだなんて思っていたのに、私は檜山君にしっかり大ちゃんの代役を務めさせていた。

「別に俺はいいんだけどさ、
お前は気になんないの？あいつらの視線。」

「あいつら？視線？」

檜山君に言われて周りを冷静に見回すと裏口の扉が少し開いていて、そこから光太郎お兄さんとサクラさんが覗いていた。

「わっっ！！
もっと早く教えてよ！」

慌てて檜山君から離れるも時既に遅し。

「良かったなぁ圭太。すっかりハチ公ちゃんと仲良しじゃん。」

「私達も混ぜてよね〜。」

病院に行っていたサクラさんはすっかり元気になっていた。