忠犬ハツ恋
「茜ちゃん!」

「やっほぅ!美咲。今、平気?」

「う、うん!全然大丈夫。」

目の前の檜山君は面白くなさそうな顔をして靴を脱ぐと先にリビングへと向かった。
私は玄関の壁に寄り掛かり茜ちゃんとの電話に集中する。

「茜ちゃんどうしたの?学校に全然出てこないから心配したよ。」

「ごめん。それがさぁ…、…出来ちゃったんだよね……。」

「えっ??……それって…。」

「子供。」

「えっ?えっ?ホントに?」

「薬局の検査薬で2回調べた。どっちも陽性。
親にバレて病院連れてかれてそれで確定。」

檜山君からその可能性を告げられてはいたけど、実際茜ちゃん本人からそう聞いてもあまり実感が沸かなかった。
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