忠犬ハツ恋
「何も言わなくていい。
ただお前はいつものお前で周防に接すればいい。
決めるのは周防だ。周防の決断をお前はただ見守れはいいんじゃね?」

「でも……。」

「いい事を教えてやろうか?
白石が補導されて謹慎になった時、
周防は今のお前と同じように動揺してた。
でもお前が学校に出て来た時、周防はどうした?」

あの時、茜ちゃんも檜山君も普通だった。
いつもと変わらず私を迎えてくれた。
そんな2人にどれだけ救われたか知れない。

「お前はお前でいればいい。
周防だってお前に参考になるアドバイスなんて求めてないだろうよ。」

「えっ?それヒドイ!!」

檜山君は笑いながら私を強く抱き締めた。

今、私の目の前にはこうやって抱き締めてくれる檜山君がいる。
でも茜ちゃんには……。

どんな結論でもいい。
茜ちゃんの彼氏の辰也君に茜ちゃんをしっかり支えて欲しかった。
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