忠犬ハツ恋

その時いつものように机に突っ伏していた檜山君が荒々しく自分の机を蹴り飛ばした。

大きな音とともに机は豪快に倒れ、中の教科書がそこら中に散乱する。
ひそひそ声が蔓延していた教室が一気に静まり返った。

「ガタガタうっせぇなぁ！！」

国生さんは一瞬はひるんだがすぐにいつもの調子を取り戻す。

「うるさいのはどっちよ。
そんなに眠いなら白石さんと保健室にでも行ってイイコトでもして来れば？」

そこで私の名前が出て来て驚いた。

「何で私が？！！」

「え〜？だって白石さんと檜山君て付き合ってるんじゃないの？いつもベッタリ。」

「そんな事ない！」

私が全面否定してるのに檜山君はそれを認めてしまった。

「悪いか？俺は白石が好きだ。
国生にはそうやってベタベタする相手がいないんだろ？
ひがみ、やっかみ、哀れなもんだな。」