忠犬ハツ恋
夜、ボーッと茜ちゃんの事を考えていた。

私が考えてもどうしようもない事だけど、
思考に空白が出来ると茜ちゃんの事を考えずにはいられない。

自分の部屋の机で教科書とノートを開いてはいるものの、視線はずっとそばにおいている携帯に向けられていた。

その時携帯が震えだし茜ちゃんからの着信を告げた。
待ち侘びていたはずの電話なのになかなか手が出ない。しばらくすると茜ちゃんからの電話は切れた。
慌ててこちらから茜ちゃんに電話を掛け直す。

「もしもし美咲?ごめん、忙しいんでしょ?」

「ううん、そうじゃないの。大丈夫!
どうしたの?茜ちゃん。」

少しの間を置いた後茜ちゃんは語り出した。

「…ダメだった…赤ちゃん。」

「そ、……そう……。」

「美咲!!臨時収入入ったからさ遊びに行こうよ。」

「臨時収入?」
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