忠犬ハツ恋
茜ちゃんとの電話を切った後、しばらくベッドの上で某然としていた。

…自己嫌悪………。

茜ちゃんに気の利いたセリフの一つも言えずにただ一緒に泣いていただけの私。

檜山君は私であればいいと言ってくれたけど
これじゃあいくらなんでも頼り無さ過ぎる。

机の上で携帯が震えていた。
この着信音は大ちゃんだ。

起き出して机に向かう事すら億劫でそのままやり過ごした。
とても大ちゃんと楽しく語らう気分にはなれない…。

今日はこのまま寝てしまおう。
明日になればきっと今より少しは自己嫌悪も解消しているだろうから。
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