忠犬ハツ恋
その時教室の入り口に茜ちゃんの姿が見えた。

「茜ちゃん!!」

私は脇目も振らずにまっしぐらに茜ちゃんの元へと駆け付ける。

「ただいま。」

茜ちゃんはいつもの笑顔でそこにいた。
堪らず私は茜ちゃんに抱きついた。

「お帰りぃ〜!!」

私の背後で檜山君が呆れる。

「何年も会えなかったカップルじゃあるまいし……。」

「いいの!檜山君は黙ってて。」

茜ちゃんが私の頭を撫でながら檜山君に聞く。

「檜山、あたしが休んでた分のノート貸してくれる?」

「いつでもどうぞ。」
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