忠犬ハツ恋
そんな私と一色先生の行く先を大ちゃんが阻む。

「美咲、今日は会いたくないなら明日なら会えるか?」

「………分からない…。」

それが私の今の正直な気持ちだった。

「会えそうなら連絡して。
会いたくないなら会いたくないってメールして。」

「うん…。」

大ちゃんは一色先生に頭を下げた。

「美咲を頼んだ。」

「心配するな。俺は送り狼にはならない。」

私達は小さくなった大ちゃんを置いて一色先生の家を出た。
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