忠犬ハツ恋
LOVE IS OVER
突然茜ちゃんが陸上部を辞めた。
「どうして?」
「金倫館に行こうと思ってる。」
金倫館は少人数制の学習塾だった。
「看護師目指そうかと思ってさ。
産婦人科で仲良くなった看護師さんがめちゃ理想でね、私もあそこで働きたいなって思って。」
「そう……。そっか……。」
目標の定まった子と言うのは自分より一回りも二回りも大きく見える。
そんな茜ちゃんが羨ましかった。
私の目標は………大ちゃんのお嫁さん…。
そのはずなんだ。
そこはブレちゃいけない。
でも…あれから一週間、私は大ちゃんと会うのを避け続けている。
「檜山君は?もう進路決めてるの?」
檜山君は相変わらず隣の席で寝ていた。
「とりあえずコロンビア行く、かな?」
突っ伏した状態の檜山君からそんなくぐもった一言が聞こえた。
「コロンビア?」
「親父がそこでコーヒーの買い付けしてる。
どうもそこでコーヒー畑も買ったみたいだ。
まぁそんなに広くはないみたいだけどな。
品種改良にも力注ぐらしいから行って手伝う。
シャロンは兄貴とサクラさんと生まれ来るチビに任せる。」
………皆、目標がはっきりしていた。
自分だけ取り残されているように感じた。
「どうして?」
「金倫館に行こうと思ってる。」
金倫館は少人数制の学習塾だった。
「看護師目指そうかと思ってさ。
産婦人科で仲良くなった看護師さんがめちゃ理想でね、私もあそこで働きたいなって思って。」
「そう……。そっか……。」
目標の定まった子と言うのは自分より一回りも二回りも大きく見える。
そんな茜ちゃんが羨ましかった。
私の目標は………大ちゃんのお嫁さん…。
そのはずなんだ。
そこはブレちゃいけない。
でも…あれから一週間、私は大ちゃんと会うのを避け続けている。
「檜山君は?もう進路決めてるの?」
檜山君は相変わらず隣の席で寝ていた。
「とりあえずコロンビア行く、かな?」
突っ伏した状態の檜山君からそんなくぐもった一言が聞こえた。
「コロンビア?」
「親父がそこでコーヒーの買い付けしてる。
どうもそこでコーヒー畑も買ったみたいだ。
まぁそんなに広くはないみたいだけどな。
品種改良にも力注ぐらしいから行って手伝う。
シャロンは兄貴とサクラさんと生まれ来るチビに任せる。」
………皆、目標がはっきりしていた。
自分だけ取り残されているように感じた。