忠犬ハツ恋
「お前はどうするんだよ白石。」
檜山君がムクリと体を起こす。
「分からない…。」
スッと檜山君の方から手が伸びて来た。
「俺と来るか?コロンビア。」
「…………そのコロンビアってところがね…?」
「何だよ!いいところだぞコロンビア。
まだ行ったこと無ぇけど。サッカー強いし。」
「………だって…日本語通じる?」
「いや、公用語はスペイン語だ。」
「英語圏じゃないなら尚更ムリ〜!!」
「じゃあ英語圏なら一緒に来るわけ?」
「………そう言う問題でも無い…。」
檜山君は鞄を手に立ち上がる。
「まあ、いいんじゃね?
お前の大ちゃんが言ってたろ?"大いに悩め"って。決まってねぇなら無理矢理方向性決める必要ねぇよ。
じゃ、俺、今日急ぐんで。」
そう言うとサッサと教室を出て行ってしまった。