忠犬ハツ恋
「ほら!洗濯してあげるから!!はやく脱いで。」

「いいって、看病は必要無いから。
帰れよ!」

「そんなにフラフラで看病が要らないわけないでしょ?こんな時位甘えてよ。」

「待てって!脱がすな!!こらっ!!詩織!」

案の定、その女性は詩織さんだった。
2人で脱衣所で何やら揉めている。

この会話で2人の関係性がなんとなく掴めた。
大ちゃんは決して詩織さんを受け入れてはいないものの、詩織さんに押し切られてしまうんだ。

ホテルへの送迎もヒロム君のお迎えも、詩織さんの押しに負けてしまったんだろう。

でも押されると分かってて何故大ちゃんは家に上げてしまうのか…?

「詩織!!お前、好い加減に……、ぅわっ!」

「キャッッ!!」

私が玄関に立ち尽くしていると脱衣所から2人が転がり出て来た。
大ちゃんは上半身裸で詩織さんの上に覆い被さっている。

2人はその時初めて私の存在に気が付いた。
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