忠犬ハツ恋
私は檜山君に電話をかけていた。
今は東野で講義中かも知れないけど…。
そう言えば檜山君にはまだ私の電話番号を教えていなかった。
檜山君の携帯には今、非通知からの着信になっているはず。
モーニングコールでも無いし、非通知からの着信なんて出てくれないかも知れない。
数回のコールをやり過ごし電話を切ろうと思った頃電話が繋がった。
「白石!どうした?」
「えっ………?檜山君?」
「何だよ、お前から掛けて来たんだろ?」
「だって……表示、非通知になってるでしょ?」
「俺に非通知で掛けて来る奴なんてお前しかいねぇんだよ。」
そう言って檜山君は笑う。
「今、……塾は?」
「今は荒木センセの講義だ。仮病使って抜けて来た。」
何の抵抗もなくそう言ってのける檜山君に申し訳無さと嬉しさとが入り混じった複雑な思いを抱いた。
「……白石?今、何処だ?」
「えっ?」
「言えよ、すぐ行くから。」
大ちゃんの家の近くの川の名を告げると檜山君は電話を切った。
今は東野で講義中かも知れないけど…。
そう言えば檜山君にはまだ私の電話番号を教えていなかった。
檜山君の携帯には今、非通知からの着信になっているはず。
モーニングコールでも無いし、非通知からの着信なんて出てくれないかも知れない。
数回のコールをやり過ごし電話を切ろうと思った頃電話が繋がった。
「白石!どうした?」
「えっ………?檜山君?」
「何だよ、お前から掛けて来たんだろ?」
「だって……表示、非通知になってるでしょ?」
「俺に非通知で掛けて来る奴なんてお前しかいねぇんだよ。」
そう言って檜山君は笑う。
「今、……塾は?」
「今は荒木センセの講義だ。仮病使って抜けて来た。」
何の抵抗もなくそう言ってのける檜山君に申し訳無さと嬉しさとが入り混じった複雑な思いを抱いた。
「……白石?今、何処だ?」
「えっ?」
「言えよ、すぐ行くから。」
大ちゃんの家の近くの川の名を告げると檜山君は電話を切った。