忠犬ハツ恋
今日の湯豆腐はまたとても美味しくて、ここで賄いを戴く度に幸せな気分になる。
でも健全な男子高校生の檜山君にとっては物足りないようで……。

「サクラさんか妊娠してからやたら太ることを気にするから最近ヘルシーメニューばっかりなんだよ。
これが後、半年続くかと思うとコッチは餓死する。」

私にはヘルシーメニューはとても有難い。
愚痴をこぼしながらポテトチップスの袋を開ける檜山君に苦笑した。

食事を片付けると檜山君がバスタオルと着替えを持って来てくれた。

「これ、サクラさんから貰って来た着替え。新しだから。
先に風呂に入れよ。」

………。

お風呂を借りる…、
それはとても有難かったけど、ある種の緊張がドッと増して行くのが分かった。

私はバスタオルを受け取るとその場から動けなくなる。
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