忠犬ハツ恋
檜山君はそんな私を優しく見つめ柔らかく笑った。

「そんなに固くなるな。
白石が嫌なら何もしねぇよ。」

檜山君に連れられ脱衣所へと向かう。

「鍵かけれんだろ?
開けるつもりないけど、心配なら閉めとけば?」

そう言って檜山君はリビングに去って行った。



………本当に檜山君に甘えて良かったんだろうか?
大ちゃんに対する当て付けみたいな感じで。


大ちゃんの事を許したい自分と許せない自分がいる。
でもだからって私も同じ事してもいいんだろうか?

何より檜山君は?
彼を酷く傷つける事になりはしないか?
私は……檜山君をどう思っているんだろう?
決して嫌いでは無い、それは分かってる。
でも…私は檜山君に大ちゃんの代わりを求めているだけなんだろうか…?


このまま行くと…きっと後戻り出来ない。
それだけは分かっていた。
< 374 / 466 >

この作品をシェア

pagetop