忠犬ハツ恋
「白石、ちょっと手、出して。」

「手?」

わけも分からず手を檜山君の方へ差し出すと檜山君は私の手の甲にチョコソースを垂らした。

「えっ?ちょっ、何やってんの?檜山君!」

檜山君は私の手についたチョコソースをペロペロと舐め取り出す。

「な、何???」

「手ってさ、神経いっぱい通ってっから結構敏感なんだよ。
こうされると気持ち良くない?」

「気持ち良いって言うか、…やたら恥ずかしいんだけど……。
………こういうのもサクラさんに教えてもらったの?」

「……まぁ…ね。」

檜山君の行為は手に止まらず次第に他の場所へも及ぶ。
手から腕へ、そして首筋を舐められた時、身体から力が抜け堪らず甘い声が漏れた。

「んっっ!や……。」

すると檜山君は意地悪な笑みを浮かべる。

「白石は分かり易くていい。」

からかわれてる!!
そう思って無性に恥ずかしくなった私は手近にあった枕を掴むと檜山君めがけて振り下ろした。

「おっと!!」

檜山君はそれを器用に避けて逆に私の手を掴みベッドに押さえつける。

「昨日の痛みなんかすぐに忘れさせてやるよ。」

そうして檜山君は私の首筋に甘く噛み付いた。
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