忠犬ハツ恋
大ちゃんは不意にハンドルを左に切り路肩に車を停めた。
「…大我に何を言われた?」
大ちゃんは私の手を握る力を更に強め私の顔を覗き込む。
私は声を出す事も出来ずひたすら首を横に振った。
「大我の片想いの相手は…俺だと?」
その大ちゃんの一言に私は顔を上げ大ちゃんを驚きの眼で見つめた。
「………知ってたの…?」
私の反応を見て大ちゃんは"やっぱりな"と言う風に運転席の背もたれに深くもたれ掛かった。
「随分前に1度告白された事がある。でも当然断った。
俺は美咲以外には考えられないし俺に男と付き合う趣味は無い。
だからその時大我に"その想いは封印してくれ、でなければ今後友達として付き合って行く事も出来ない"と告げた。
大我はその時"分かった"と言ったんだ。
その後大我に彼女が出来たから俺の事はもう諦めんだろうとホッとしてた。」
一色先生の想いは一応は大ちゃんに届いていた。
でもだからと言ってどうする事も出来ない。
どうなる事も無い。
"美咲ちゃんはちゃんと両想いだろ?"
一色先生のあの言葉が私の心に深く深く突き刺さる。
「大我の事は気にするな。
美咲が気にしたってどうにもならないだろ?
俺は大我と友達以上になる気はサラサラ無い。
さあ、もう帰ろう。腹減った。」
「……。」
そう言われてみれば私は朝から何も口にしていない。
でもあまり空腹では無かった。
今日はいろんな事が有り過ぎてもはやそれどころでは無かったから。
「…大我に何を言われた?」
大ちゃんは私の手を握る力を更に強め私の顔を覗き込む。
私は声を出す事も出来ずひたすら首を横に振った。
「大我の片想いの相手は…俺だと?」
その大ちゃんの一言に私は顔を上げ大ちゃんを驚きの眼で見つめた。
「………知ってたの…?」
私の反応を見て大ちゃんは"やっぱりな"と言う風に運転席の背もたれに深くもたれ掛かった。
「随分前に1度告白された事がある。でも当然断った。
俺は美咲以外には考えられないし俺に男と付き合う趣味は無い。
だからその時大我に"その想いは封印してくれ、でなければ今後友達として付き合って行く事も出来ない"と告げた。
大我はその時"分かった"と言ったんだ。
その後大我に彼女が出来たから俺の事はもう諦めんだろうとホッとしてた。」
一色先生の想いは一応は大ちゃんに届いていた。
でもだからと言ってどうする事も出来ない。
どうなる事も無い。
"美咲ちゃんはちゃんと両想いだろ?"
一色先生のあの言葉が私の心に深く深く突き刺さる。
「大我の事は気にするな。
美咲が気にしたってどうにもならないだろ?
俺は大我と友達以上になる気はサラサラ無い。
さあ、もう帰ろう。腹減った。」
「……。」
そう言われてみれば私は朝から何も口にしていない。
でもあまり空腹では無かった。
今日はいろんな事が有り過ぎてもはやそれどころでは無かったから。