忠犬ハツ恋
車は私の家の駐車場に着いた。
誰もいない筈の家の中からカラフルなイルミネーションの光が漏れている。
「???」
「クリスマスの電飾借りたぞ。」
大ちゃんはそれだけ言うと私の家の鍵を開けた。
私は黙って後を着いて行く。
殺風景なリビングがクリスマスの電飾で色とりどりに光輝いていた。
大ちゃんがリビングの電気を点けようとしないから、私は電飾の灯りを頼りにダイニングテーブルへと近づく。
そこにはクリスマスにしか出番の無い真っ赤なランチョンマット。
スプーンやフォーク、ナイフもセッティングされている。
大ちゃんがテーブルの上の蝋燭に日を灯すとテーブルに柔らかい光が落とされた。
「大ちゃん……これ…。」
「今日は美咲の好きなチーズリゾット。
チキンは時間が無かったから出来合いの物で我慢しろよ。
スープ直ぐに出来るけど先に風呂にでも入って来れば?」
「………うん…。」
大ちゃんの手料理なんて久しぶりだ。
大学生の時イタリアンレストランでバイトをしていた大ちゃんのチーズリゾットは私の大のお気に入りだった。
嬉しいけど好物をすんなり喉を通す自信が無い。
私は大ちゃんを裏切った。
この事実をいつどう説明すべきか、
そして今頃一色先生はどうしているのか…、
それを思うと水を飲む事すら困難に感じた。
誰もいない筈の家の中からカラフルなイルミネーションの光が漏れている。
「???」
「クリスマスの電飾借りたぞ。」
大ちゃんはそれだけ言うと私の家の鍵を開けた。
私は黙って後を着いて行く。
殺風景なリビングがクリスマスの電飾で色とりどりに光輝いていた。
大ちゃんがリビングの電気を点けようとしないから、私は電飾の灯りを頼りにダイニングテーブルへと近づく。
そこにはクリスマスにしか出番の無い真っ赤なランチョンマット。
スプーンやフォーク、ナイフもセッティングされている。
大ちゃんがテーブルの上の蝋燭に日を灯すとテーブルに柔らかい光が落とされた。
「大ちゃん……これ…。」
「今日は美咲の好きなチーズリゾット。
チキンは時間が無かったから出来合いの物で我慢しろよ。
スープ直ぐに出来るけど先に風呂にでも入って来れば?」
「………うん…。」
大ちゃんの手料理なんて久しぶりだ。
大学生の時イタリアンレストランでバイトをしていた大ちゃんのチーズリゾットは私の大のお気に入りだった。
嬉しいけど好物をすんなり喉を通す自信が無い。
私は大ちゃんを裏切った。
この事実をいつどう説明すべきか、
そして今頃一色先生はどうしているのか…、
それを思うと水を飲む事すら困難に感じた。