忠犬ハツ恋
忠犬ハチ公の恋
それから私は檜山君と連絡が取れる事無くあっという間に1年の月日が過ぎた。
光太郎お兄さんにはお父さんの無事を伝える電話が2度だけあったそうだけど、少しの余談の隙も与えず電話を切られてしまったらしい。
檜山君は私の破局を知らずに今も遠いコロンビアの何処かで毎日を過ごしている。
「ハチ公ちゃん、女の人ってさぁホンット〜に怖いよね〜。」
シャロンにいつものように賄いメシを食べに来た荒木先生が光太郎お兄さんの作った煮込みハンバーグを運ぶ私にそう言う。
「今度は何ですか?
言っておきますけど女の人が皆怖いわけじゃありませんからね。
荒木先生の女運が無いんですよ。」
私は呆れて荒木先生の前に煮込みハンバーグを置くと踵を返した。
「違うんだよ、佐々木詩織さんの話。」
その名を聞いてつい私の足が止まった。
今の私にはもはや何の関係も無い人だが……。
「一色先生が辞めた後、急遽新人講師が採用されたんだけどさ、23歳のフレッシュマン。
その彼が佐々木さんに捕まっちゃったわけ。」
「…捕まった…って?」
「デキ婚。
佐々木さん、そのフレッシュマンの子供を身ごもってる。年内には結婚するんだって。」
………。
どうコメントしていいのやら……?
「元彼の筧戸先生がいる職場で新しい旦那を捕まえる?普通?
多分フレッシュマンは筧戸先生が元彼だなんて知らないんだろうけど、佐々木さんのやる事って本当にえげつないよね?」
そう言いながら荒木先生は煮込みハンバーグを頬張った。
光太郎お兄さんにはお父さんの無事を伝える電話が2度だけあったそうだけど、少しの余談の隙も与えず電話を切られてしまったらしい。
檜山君は私の破局を知らずに今も遠いコロンビアの何処かで毎日を過ごしている。
「ハチ公ちゃん、女の人ってさぁホンット〜に怖いよね〜。」
シャロンにいつものように賄いメシを食べに来た荒木先生が光太郎お兄さんの作った煮込みハンバーグを運ぶ私にそう言う。
「今度は何ですか?
言っておきますけど女の人が皆怖いわけじゃありませんからね。
荒木先生の女運が無いんですよ。」
私は呆れて荒木先生の前に煮込みハンバーグを置くと踵を返した。
「違うんだよ、佐々木詩織さんの話。」
その名を聞いてつい私の足が止まった。
今の私にはもはや何の関係も無い人だが……。
「一色先生が辞めた後、急遽新人講師が採用されたんだけどさ、23歳のフレッシュマン。
その彼が佐々木さんに捕まっちゃったわけ。」
「…捕まった…って?」
「デキ婚。
佐々木さん、そのフレッシュマンの子供を身ごもってる。年内には結婚するんだって。」
………。
どうコメントしていいのやら……?
「元彼の筧戸先生がいる職場で新しい旦那を捕まえる?普通?
多分フレッシュマンは筧戸先生が元彼だなんて知らないんだろうけど、佐々木さんのやる事って本当にえげつないよね?」
そう言いながら荒木先生は煮込みハンバーグを頬張った。