忠犬ハツ恋
「私を忠犬ハチ公って名付けたの誰?
今まで1年以上音信不通の檜山君を待って来たんだよ?
それが後どれだけ延びても私にはどうって事無い。」
言いながら自分でも自分が可笑しくなって来た。我ながら何という忠犬ぶりなんだろう…。
檜山君は電話の向こうで何か思案しているようだった。
「………後少しなんだよ。
もう少しで納得の行くコーヒーの新品種が出来上がる。
……そしたらお前に1番に淹れてやる。」
「本当?!お絵かきコーヒーにしてくれる?」
「何を書いて欲しい?」
「…檜山君の苦手なハート。」
「……分かったよ…。
首を長くして待ってろ。」
檜山君との久しぶりの会話はそこで終わった。
何だか檜山君が遠くに居るとは思えないほど電話の声は明瞭で、駆け出して行けばすぐに会えそうで、それでも簡単には会えない今の距離にやたらもどかしさを覚えた。
何も語らなくなった我が手に残る携帯電話の冷たさが虚しくてただ無言で携帯電話を見つめていた。
その時光太郎お兄さんが私の肩にそっと手を添える。
「大丈夫?」
私はお兄さんに小さく微笑んで返した。
今まで1年以上音信不通の檜山君を待って来たんだよ?
それが後どれだけ延びても私にはどうって事無い。」
言いながら自分でも自分が可笑しくなって来た。我ながら何という忠犬ぶりなんだろう…。
檜山君は電話の向こうで何か思案しているようだった。
「………後少しなんだよ。
もう少しで納得の行くコーヒーの新品種が出来上がる。
……そしたらお前に1番に淹れてやる。」
「本当?!お絵かきコーヒーにしてくれる?」
「何を書いて欲しい?」
「…檜山君の苦手なハート。」
「……分かったよ…。
首を長くして待ってろ。」
檜山君との久しぶりの会話はそこで終わった。
何だか檜山君が遠くに居るとは思えないほど電話の声は明瞭で、駆け出して行けばすぐに会えそうで、それでも簡単には会えない今の距離にやたらもどかしさを覚えた。
何も語らなくなった我が手に残る携帯電話の冷たさが虚しくてただ無言で携帯電話を見つめていた。
その時光太郎お兄さんが私の肩にそっと手を添える。
「大丈夫?」
私はお兄さんに小さく微笑んで返した。