忠犬ハツ恋
201号室を開けると普通のマンションの一室だった。

事務所兼檜山君の部屋。

檜山君がどんな生活をしているのか少し興味はあったが、部屋を見回す時間は無さそうだ。
早くシャロンに戻ってお兄さんを手伝わなければならない。

私はとりあえず玄関から1番近い扉を開けた。
そこはトイレだったからもう1つ隣の扉に向かった。

そこが浴室なら脱衣所がある。
脱衣所があれば洗面台に鏡があるはず。

着替えた自分を鏡で確認しておきたかった。

…こんな事、大ちゃんにバレたらどうなるんだろう?
婚約破棄かな?

………出るのは溜息ばかりだった。
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