忠犬ハツ恋
そこにバテていたはずの檜山君が現れ、メイド服を持っていた紙袋に入れると私に差し出す。

「バイト代。
持って帰れよ。あると何かと重宝するだろ?」

「するワケ無いでしょ!!」

そこにサクラさんも割り込んで来る。

「じゃあハチ公ちゃん、私に頂戴。
現役JKの着用済のメイド服なんてきっと高く売れる〜!」

「持ち帰らせていただきます!」

私はご飯の入ったビニール袋とメイド服の入った紙袋を持って帰路を急いだ。

帰りの電車の中、メイド服を何処に隠すかを考えていた。
いや、次のゴミの日に捨ててしまおう。
こんなの大ちゃんに見つかったら身の破滅だ。
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