忠犬ハツ恋
「ハチ公ちゃんも圭も勉強の前に腹ごしらえしたら?」

光太郎お兄さんがパスタをもう2つ運んで来てくれた。
たらこスパゲティーはとっても美味しくて、つい勉強なんてどうでもよくなってしまいそうになる。

「圭太、今度の夏期講習来いよ。」

パスタをおかわりした荒木先生が食べながら檜山君に言う。

「ヤだよ、夏は遊ぶもんだ。」

「お前なぁ……、望めば招待生になれんのに…。」

招待生……。

その枠の話しは大ちゃんから聞いた事があった。
成績が優秀な事が認められた者は学費半額免除で東野で学べる、
その枠は3枠あってそれにはカナリ優秀である必要があると。

望めば檜山君は招待生になれる……。
って、檜山君めちゃくちゃデキがいいんじゃないか?!

それはウチの学年トップで驚いているレベルではないという事。

私は場違いな勉強会に参加してしまったかも知れない……。
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