忠犬ハツ恋

「そう？やっぱりそうかな？
俺にもチャンスあるかな？
女性って強引なタイプがいいんでしょ？
思い切って行動起こすべきかなぁ〜？」

乙女みたいに盛り上がる荒木先生に檜山君が水を差した。

「荒木センセさぁ…、あんまり突っ走るなって。それでいつも玉砕すんじゃん。
その詩織さんの事調べた？ちゃんと独身？またバツイチ子持ちだったらどうするんだよ。」

「そうだよ！そこなんだよ！圭太！！
実は昨日、佐々木さんに保育園から電話が掛かって来ててさ……。」

「また子持ちかよ！！」

檜山君は大袈裟に頭を抱えた。

「いや、親戚の子の面倒を見てるって可能性もあるだろ？まだ分からないよ。」

「その可能性は極めて低いと思うぞ！」

檜山君の突っ込みに私も心の中で同調した。