忠犬ハツ恋
大ちゃんはキチッとした性格なので、
部屋は男の1人暮らしとは思えない程片付いていた。

ただ寝に帰ってくるだけの部屋だから、もしかしたら散らかしようも無いのかも知れない。

活用している痕跡のないカウンターキッチンなどを見ると、外食や店屋物ばかりなんじゃ無いかと大ちゃんの体が心配になる。
やっぱりお弁当作りは続けたほうがいいんじゃ無いだろうか?

と、いろいろ考えている時間は無かった。

早く数珠と靴を届けなければ。

寝室のクローゼットを開け上の棚に置かれたダンボール製のBOXを取り出した。
蓋を開けると袱紗と数珠と使用済みの通帳が何冊か。
数珠ととりあえず袱紗も取り出しBOXを元に戻す。

クローゼットの下には隅に靴の箱が5つ程積まれていた。
上から2つ目の箱が黒の革靴。

その3つを入れる紙袋を探しにて寝室を見回した。
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